EC事業者や通信販売を手がける企業にとって、セールやキャンペーン、年末年始などの繁忙期に発生する「発送作業の人手不足」は、放置できない課題です。
通常時は問題なく対応できていても、注文数が一気に増えると、商品のピッキング、検品、梱包、伝票貼付、発送といった物流業務に大きな負荷がかかります。
社内の人員だけで対応しようとすると、残業の増加や他部署からの応援が必要になるだけでなく、作業ミスや発送遅延につながる可能性もあります。
実際に、あるアパレルEC企業では、セール期間中に想定を大きく上回る注文が発生し、出荷作業が追いつかない状況に陥りました。社員が深夜まで梱包作業を続けても遅延を解消できず、最終的に発送代行サービスの導入を決断しました。
発送業務を外部委託した結果、出荷処理のスピードが大幅に向上し、繁忙期でも安定した出荷体制を構築。社員はマーケティングや商品企画など、本来注力すべき業務に時間を使えるようになりました。
このように、繁忙期の人手不足は、単純に「人を増やす」だけが解決策ではありません。
発送業務を専門会社へアウトソーシングし、必要なときに必要なリソースを確保することも有効な選択肢です。
本記事では、発送作業の人手不足が発生する原因から、短期採用と発送代行の違い、外注先選びのポイント、繁忙期に向けた準備まで詳しく解説します。
目次
発送作業の人手不足が起こる3つの原因

まず、なぜ繁忙期になると発送作業の人手不足が深刻になるのでしょうか。
主な原因は次の3つです。
1.注文数が短期間で急増する
セールやキャンペーン、季節イベントなどでは、通常時と比較して注文数が大幅に増えることがあります。
普段の出荷量を基準に人員を配置している場合、急激な物量増加には対応しきれません。
特にEC事業では、SNSや広告などをきっかけに注文が想定以上に増えるケースもあります。
「通常は1日500件だから問題ない」と考えていても、セール期間だけ1,500件、2,000件と出荷量が増えれば、既存スタッフだけでは対応が難しくなります。
2.発送業務には多くの工程がある
発送作業は、単に商品を箱に入れて送るだけではありません。
一般的には、
受注確認 → ピッキング → 検品 → 梱包 → 伝票貼付 → 発送
といった複数の工程があります。
さらに、商品の種類や顧客ごとの同梱物によっては、個別の確認や特殊な梱包作業が必要になる場合もあります。
一つの工程が滞ると、その後の作業も連鎖的に遅れてしまうため、繁忙期ほど物流全体の負荷が高まります。
3.繁忙期だけ人員を増やすのが難しい
繁忙期の人手不足を解消するために、短期アルバイトや派遣スタッフを増員する方法もあります。
しかし、必要な期間だけ人材を確保することは簡単ではありません。
求人募集をしても必要人数が集まるとは限らず、採用後には業務内容や作業ルールを教育する必要があります。
結果として、現場責任者や既存スタッフの負担がさらに増えてしまうこともあります。
発送作業の人手不足は短期採用だけで解決できる?

人手不足対策として、まず短期アルバイトや派遣スタッフの採用を検討する企業は少なくありません。
確かに、必要な期間だけ人員を増やせる点はメリットです。
しかし、発送業務では「人数を増やせばすぐに処理能力が上がる」とは限りません。
新しいスタッフが作業を覚えるまでには、一定の教育期間が必要です。
例えば、
- 商品の取り扱い方法
- ピッキングのルール
- 検品基準
- 梱包方法
- 同梱物の確認
- 伝票の貼付方法
- イレギュラー発生時の対応
などを説明する必要があります。
繁忙期に現場が忙しい中で教育を行えば、既存スタッフの作業時間まで奪われてしまいます。
また、不慣れなスタッフが急増すると、検品ミスや同梱漏れ、誤出荷などのリスクが高まる可能性もあります。
そのため、短期間だけ人手が必要な場合には、「採用」以外のリソース確保方法も比較することが重要です。
発送代行なら繁忙期だけ必要なリソースを確保できる

発送代行サービスを利用する大きなメリットは、社内で新たに人員を採用・教育することなく、発送業務に必要なリソースを確保できる点です。
発送代行会社には、物流業務を専門に行うスタッフや作業環境が整備されています。
そのため、自社で新たに人材を採用して教育する負担を抑えながら、繁忙期の出荷量増加に対応しやすくなります。
また、出荷量の変動が大きい企業では、発送業務を外注することで、固定的な人件費を抑えながら必要な時期にリソースを確保しやすくなります。
特に、
- セール時期だけ注文が増える
- 年末年始に発送量が集中する
- キャンペーン期間だけ出荷量が増える
- 新商品の発売時に注文が急増する
といった企業では、発送代行との相性が良いでしょう。
発送代行を選ぶときに確認したい4つのポイント

「人手不足を解消したい」という理由だけで発送代行会社を選ぶと、繁忙期になってから問題が発生する可能性があります。
外注先を選定するときは、次の4つのポイントを確認しましょう。
1.繁忙期の物量増加に対応できるか
最も重要なのが、繁忙期のキャパシティです。
通常時は問題なく対応できても、セール期間に出荷量が数倍になった場合、委託先の処理能力を超えてしまえば意味がありません。
見積もり時には、
- 通常時の出荷件数
- 繁忙期の想定出荷件数
- ピーク時の最大出荷件数
- 希望する出荷リードタイム
などを事前に共有しましょう。
「最大でどの程度の物量まで対応可能なのか」を確認しておくことが重要です。
2.自社独自の梱包や同梱作業に対応できるか
EC事業では、ブランドごとに梱包ルールが異なります。
例えば、
- オリジナル資材を使用する
- ノベルティを同梱する
- 商品ごとに同梱物を変更する
- 特定の商品だけ特殊梱包する
- ギフト用にラッピングする
などです。
標準的な梱包作業だけでなく、自社独自の作業にも柔軟に対応できるか確認しておきましょう。
3.品質管理の仕組みが整っているか
繁忙期ほど、出荷スピードと同時に品質管理が重要になります。
確認したいのは、
- ピッキング時の確認方法
- 検品体制
- 誤出荷防止策
- 梱包時のチェック方法
- 商品破損への対策
- トラブル発生時の報告体制
などです。
単に「大量発送できます」というだけでなく、物量が増えたときにも品質を維持できる仕組みがあるかを確認しましょう。
4.担当者とスムーズに連携できるか
繁忙期には、急な仕様変更やイレギュラー対応が発生することがあります。
そのため、料金や設備だけでなく、担当者とのコミュニケーションも重要です。
「問い合わせへの回答が早いか」「トラブル発生時に誰へ連絡すればよいか」「緊急時の対応方法が明確か」などを事前に確認しておくと安心です。
発送代行は「安さ」だけで選ばないことが重要

発送代行会社を比較するとき、料金はもちろん重要な判断材料です。
しかし、安さだけを基準に選ぶのはおすすめできません。
例えば、料金が安くても繁忙期の受入能力が不足していれば、発送遅延につながる可能性があります。
また、柔軟な梱包や個別対応に追加料金がかかる場合、最終的な費用が想定以上になることもあります。
比較する際には、
料金+対応可能な物量+作業品質+柔軟性+サポート体制
を総合的に確認しましょう。
特に繁忙期の発送では、「多少安い会社」よりも「安心して任せられる会社」を選ぶことが、結果的なコスト削減につながる場合があります。
繁忙期の人手不足を防ぐために事前準備しておきたいこと

繁忙期が始まってから発送代行会社を探すのではなく、できるだけ早い段階で準備しておくことも重要です。
出荷量を予測する
過去の実績をもとに、繁忙期の出荷量を予測します。
例えば、
- 1日平均出荷数
- 過去のセール時の最大出荷数
- 注文が集中する日
- ピーク期間
- 通常時との差
などを整理します。
作業内容を整理する
発送業務を外注する場合は、現在の作業内容を整理しておきましょう。
「どこまで外注するのか」を明確にすることで、業者との打ち合わせがスムーズになります。
例えば、
受注処理 → ピッキング → 検品 → 梱包 → 伝票発行 → 発送
のうち、どの工程を委託するのかを決めます。
イレギュラー対応を事前に決める
繁忙期には、住所変更や注文キャンセル、商品の欠品など、通常とは異なる対応が発生する可能性があります。
こうしたケースについて、事前に対応ルールを決めておくことで、現場の混乱を防ぎやすくなります。
発送業務をBPO化することで本来の業務に集中できる

発送業務の外注は、単純に「人手を補う」だけの施策ではありません。
物流業務を専門会社へ委託することで、社内スタッフを発送作業から解放し、マーケティングや商品開発、顧客対応などのコア業務へ振り向けることができます。
さらに、発送だけではなく、受注処理やデータ入力、バックオフィス業務などもまとめてアウトソーシングできれば、社内の業務負担をより大きく削減できます。
「人が足りないから採用する」という考え方から、「必要な業務を外部の専門リソースへ移す」という考え方へ切り替えることが、これからの人手不足対策では重要です。
まとめ|繁忙期の発送作業は外部リソースを活用して乗り切ろう
繁忙期の発送作業における人手不足は、単純な採用だけでは解決が難しいケースがあります。
短期スタッフの採用には、求人募集や教育に時間とコストがかかるうえ、繁忙期の現場では既存スタッフの負担も増えてしまいます。
そこで有効なのが、発送代行などの外部リソースを活用する方法です。
発送代行会社を選ぶ際には、
- 繁忙期の物量増加に対応できるか
- 自社独自の梱包・同梱作業に対応できるか
- 品質管理の仕組みが整っているか
- 担当者とスムーズに連携できるか
- 料金だけでなく総合的な対応力を比較する
といったポイントを確認しましょう。
繁忙期になってから慌てて人員を確保するのではなく、あらかじめ出荷量や作業内容を整理し、信頼できる発送代行会社と体制を構築しておくことが重要です。
発送業務を外部の専門リソースへ任せることで、人手不足を解消しながら、社員が本来注力すべき業務に集中できる環境をつくれます。
繁忙期の発送量増加や物流業務の負担に課題を感じている企業は、発送代行BPOの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

