「300件程度の案内状を発送したい」「500件ほどのイベント案内を印刷して発送したい」――このような数十件から数百件規模の小ロット案件では、社内で対応するべきか、印刷・発送代行会社へ外注するべきか悩む企業も多いのではないでしょうか。
実際に外注先を探してみると、「最低ロット数に届かない」「小ロットのため料金が高い」といった理由で断られるケースもあります。
しかし、小ロットだから印刷・発送代行を利用できないとは限りません。
重要なのは、単純に「1通あたりの料金が安い会社」を探すのではなく、印刷・宛名印字・封入封緘・発送までの工程を含めたトータルコストと対応力を比較することです。
例えば、都内でBtoB向けITツールを展開するB社では、既存顧客向けのセミナー案内状約300通を毎月発送していました。
これまでは社員が社内で印刷し、折り加工、封入、宛名処理、切手貼付、投函までを手作業で行っていました。過去に大手発送代行会社へ相談したものの、最低5,000件からという条件だったため、外注を断念していたそうです。
そこで、データ出力から宛名印字、封入、発送までを一括して外注。結果として、社内での発送作業をなくし、社員が本来の業務へ集中できる環境を構築しました。さらに、社内作業にかかっていた人件費まで含めて比較すると、従来より約30%のトータルコスト削減につながりました。
このように、数百件規模の小ロットでも、対応可能な業者を選び、発注方法を工夫することで、印刷・発送業務の効率化とコスト削減を両立できます。
本記事では、小ロットの印刷・発送代行を検討する際に確認したいポイントや、失敗しない外注先の選び方について解説します。
目次
小ロットの印刷・発送代行が高くなりやすい理由

「数百通しかないのに、なぜこんなに料金が高いの?」と感じる方もいるかもしれません。
その理由の一つが、発送代行には案件の数量にかかわらず発生する固定的な作業があることです。
例えば、次のような作業があります。
- 発送仕様の確認
- 宛名データのチェック
- 印刷データの確認
- 印刷機や作業設備の準備
- 封入物の確認
- 封入・封緘作業の準備
- 発送方法の手配
- 作業後の数量確認
1万通の案件と300通の案件では、実際の処理数量は大きく異なります。
一方で、作業開始前の確認や設備準備などには、一定の工数が必要です。そのため、小ロット案件では1通あたりの単価が割高になりやすくなります。
特に大量案件を中心に扱う業者では、一定以上のロット数を確保することで設備や人員を効率的に稼働させています。
そのため、数百通程度の案件では最低ロットが設定されていたり、基本料金が高く設定されていたりする場合があります。
小ロットは「単価」ではなく「総額」で比較する

印刷・発送代行の見積もりを比較するときは、1通あたりの作業料金だけで判断しないことが重要です。
例えば、次の費用を合計して比較しましょう。
- 印刷費
- 宛名印字費
- 封入・封緘費
- 基本料金
- データ処理費
- 資材費
- 発送費・送料
- その他オプション費
さらに、社内で対応する場合には、担当者の作業時間もコストとして考える必要があります。
「外注費」と「社内で作業した場合の人件費」を比較することが、小ロット案件の本当のコストを把握するポイントです。
小ロットの印刷・発送代行を選ぶときに確認したい3つのポイント
小ロット案件では、料金だけで外注先を決めると、思わぬ追加費用や業務負担が発生する可能性があります。
ここでは、業者選びで確認したい3つのポイントを紹介します。
1.最低ロットと基本料金を確認する
まず確認したいのが、最低ロットと基本料金です。
「1通○円」という料金表示だけを見ると安く感じても、最低基本料金が設定されている場合、数百通では想定以上の金額になることがあります。
見積もりを依頼するときは、
- 最低何通から対応可能か
- 基本料金はいくらか
- 小ロット専用の料金体系があるか
- 少量でも追加料金が発生しないか
を確認しましょう。
特に「500通以下でも対応可能か」は、小ロット案件では重要なチェックポイントです。
2.印刷から発送まで一括対応できるか確認する
印刷会社と発送代行会社を別々に手配すると、それぞれとのやり取りが必要になります。
例えば、
「印刷会社から納品された印刷物を発送代行会社へ送る」
という工程が発生すると、納品スケジュールの調整や荷物の受け渡しなど、新たな管理業務が発生します。
また、業者が増えることで、費用や確認作業が増える可能性もあります。
そのため、小ロット案件では特に、印刷・宛名印字・封入封緘・発送まで一括して依頼できる会社を選ぶと、発注担当者の負担を抑えやすくなります。
3.データチェックや問い合わせのサポート体制を確認する
価格だけでなく、サポート体制も重要です。
特に宛名データを使用するDMや案内状では、住所や郵便番号などのデータに不備があると、発送後のトラブルにつながる可能性があります。
確認したいのは、
- 宛名データのチェックに対応しているか
- 入稿データに不備があった場合の連絡体制
- 封入物の組み合わせを確認してもらえるか
- 担当者に相談できるか
- 発送完了まで進捗を確認できるか
といった点です。
Web上ですべて完結するサービスは便利な一方、案件ごとの細かな相談が必要な場合には、担当者がつくサービスのほうが安心できるケースもあります。
「安い業者」より「トータルコストが安い業者」を選ぶ

小ロットの印刷・発送代行では、最初に提示された価格だけで判断しないことが大切です。
例えば、外注費が1通150円だったとしても、別途基本料金や資材費などが発生すれば、最終的な費用は大きく変わります。
反対に、1通あたりの料金が多少高くても、印刷から発送まで一括対応してもらえることで、社内作業や業者間の調整にかかる時間を削減できる場合があります。
そこで、見積もりを比較するときは、次のような考え方がおすすめです。
外注費+送料+追加費用+社内作業コスト=実質的な総コスト
この視点で比較すれば、「単価は安いのに最終的には高かった」という失敗を防ぎやすくなります。
小ロットの印刷・発送代行なら「ワンストップ対応」がポイント

小ロット案件では、業務を細かく分けて複数社へ依頼するよりも、できるだけ一つの窓口にまとめることで管理負担を減らせます。
例えば、
データ入稿
↓
印刷
↓
宛名印字
↓
封入・封緘
↓
発送手配
という工程を一括して依頼できれば、発注担当者が個別に業者へ指示を出す必要がなくなります。
また、各工程のスケジュールもまとめて管理できるため、納期管理もしやすくなります。
特に毎月300通、500通など、定期的に発送業務が発生する企業では、ワンストップ対応の外注先を確保するメリットは大きいでしょう。
小ロットでも対応できる印刷・発送代行会社を選ぶメリット

小ロット案件に対応できる業者を選ぶことで、単に発送作業を外注できるだけではありません。
社員をコア業務へ戻せる
印刷、折り、封入、宛名貼付、投函などの作業は、1回だけなら大きな負担ではないかもしれません。
しかし、毎月繰り返すとなると、担当者の作業時間は積み重なります。
発送作業を外注することで、社員は営業、顧客対応、マーケティングなど、本来優先すべき業務に時間を使えるようになります。
発送業務の品質を安定させやすい
社内作業では、担当者の繁忙状況によって作業時間や品質にばらつきが出る可能性があります。
専門会社へ委託すれば、一定の手順に沿って印刷・封入・発送を進められるため、定期発送の業務品質を安定させやすくなります。
急な小ロット発送にも対応しやすい
「イベント開催まで時間がない」「急きょ300件の案内状を発送することになった」といったケースでは、社内で対応するほど他の業務が圧迫されます。
小ロットや短納期の案件に柔軟に対応できる業者をあらかじめ見つけておけば、急な発送案件にも対応しやすくなります。
小ロットの印刷・発送代行を依頼する前のチェックリスト

見積もりを依頼する前に、次の項目を整理しておくと、業者とのやり取りをスムーズに進められます。
- 発送件数
- 発送希望日
- 印刷物のサイズ
- 用紙の種類
- 印刷枚数
- 宛名データの形式
- 封筒のサイズ・種類
- 封入する印刷物の種類
- 封入物の組み合わせ
- 封入・封緘方法
- 希望する発送方法
- 納品・発送先
- 希望納期
- データ入稿予定日
- その他の特殊作業の有無
この情報を事前に整理しておけば、業者側も正確な見積もりを作成しやすくなります。
小ロットの印刷・発送代行で失敗しないためのまとめ
数百件規模の印刷・発送は、「小ロットだから外注できない」と考える必要はありません。
確かに、大量発送を前提とした業者では最低ロットが設定されている場合があります。しかし、小ロット案件に対応できる設備や料金体系を持つ会社を選べば、数百件規模でも印刷から発送まで外注することは可能です。
外注先を選ぶ際には、次のポイントを確認しましょう。
- 最低ロットと基本料金を確認する
- 印刷から発送まで一括対応できるか確認する
- データチェックや問い合わせのサポート体制を確認する
- 1通あたりの単価ではなく総額で比較する
- 社内作業にかかる人件費も含めて判断する
特に重要なのは、単純な「価格の安さ」ではなく、外注費と社内作業コストを合わせたトータルコストで比較することです。
毎月発生する案内状やDM、イベント招待状などの発送業務に時間を取られているのであれば、小ロットに対応できる印刷・発送代行会社への外注を検討してみてはいかがでしょうか。
信頼できるパートナーに印刷から封入・発送までをまとめて任せることで、業務負担を軽減しながら、コスト削減と業務効率化の両方を実現しやすくなります。

